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ターゲットの絞り込み方|属性ではなく困りごとで絞る4つの軸と手順

personスモゼミ編集部 event2026-07-16 公開 event_available最終確認 2026-07-16

「ターゲットを絞りましょう」と言われて、欄に「30代女性」と書く。そこから「都内在住」「年収400万円台」と足していく。行は埋まりますが、その人に向けた言葉はいつまでも出てきません。

埋まったのに使えないのは、絞る方向がずれているからです。属性をいくつ重ねても、その人が今どこで何に詰まっているかは出てきません。年齢も年収も同じ2人が、まったく違うことで困っています。

この記事では、属性ではなく状況と困りごとでターゲットを絞る手順と、絞りすぎかどうかの見極め方を解説します。

なぜ絞ると選ばれやすくなるのかという原理はターゲット設定とは・なぜ絞るのかで解説しています。ここでは、絞ると決めた人が手を動かすところを守備範囲とします。

この記事の要点

  • 絞り込みは属性を重ねる作業ではありません。同じ属性の人の中に、違う困りごとが同居しています。
  • 絞る軸は4つ。困りごとの種類、緊急度、予算感、その人が今いる場所です。
  • 手順は3つ。実際に見た場面を10個書き出し、4つの軸で狭め、残った場面を1文で言い切ります。
  • 狭くすれば届く人数は減ります。減ったぶん、その場面にいる人からは選ばれやすくなります。
  • 絞りすぎかどうかは、狭さでは測れません。その場面に人がいて、お金が動いているかで見ます。

絞り込みは、属性を重ねる作業ではありません

「30代・女性・都内在住・年収400万円台・ヨガが趣味」。5つ重ねても、この人に何を売ればいいのかは決まりません。属性はその人が誰であるかを説明しますが、何に困っているかは説明しないからです。

同じ属性の中に、まったく違う困りごとが同居します。30代で都内在住の人の中に、独立したばかりで請求書の書き方がわからない人も、5年目で確定申告に毎年3日を溶かしている人もいます。この2人に、同じ言葉は届きません。

属性が役に立つ場面もあります

属性が無意味というわけではありません。広告の配信先を選ぶときや、発信する媒体を決めるときには、属性の指定が要ります。SNS広告の管理画面は、困りごとでは絞れないからです。

ただ、それは届け方を決める段階の話です。誰に向けて言葉を作るかを決める段階で属性から入ると、手が止まります。**属性は届け先の指定に使い、絞り込みそのものは困りごとで進めます。**順番が逆になると、埋まっているのに使えない欄ができあがります。

状況で絞ると、言葉が出てきます

「開業して3か月、初めての請求書の書き方がわからず、金曜の夜に検索している人」。ここまで書けば、その人にかける言葉が自然に出てきます。年齢も性別も書いていないのに、属性を5つ重ねたときより相手の輪郭ははっきりしています。

状況には、いつ・どこで・何をしようとして詰まったのかを入れてください。時間帯と場面が入ると、その人が実在する感じが出ます。逆に、時間帯も場面も書けない相手は、まだ頭の中にしかいません。

絞る軸は4つ|困りごとの種類・緊急度・予算感・今いる場所

困りごとを書き出しても、それだけでは絞れません。書き出した中からどれを選ぶかを決めるために、4つの軸を使います。

何を見るか絞れると決まること
困りごとの種類何に詰まっているのか届ける結果
緊急度いつまでに解決したいのか売れる速さ
予算感いくらまで出す気があるのか値付けの上限と下限
今いる場所その人がどこにいるのか発信する場所

軸1|困りごとの種類

同じ「請求書がわからない」でも、中身は分かれます。書式がわからないのか、税率の扱いがわからないのか、送ったあとの入金管理が回らないのか。ひとまとめにすると、どれにも当たらない商品ができあがります。

種類を分けたら、自分が理解できるものを選んでください。理解できない困りごとは、言葉にできません。自分が通ったことのある詰まりが、最初の候補になります。

軸2|緊急度

今日困っている人と、いつか困るかもしれない人では、動き方がまったく違います。今日困っている人は、探して、比べて、その日のうちに払います。いつか困る人は、良さそうだと思っても動きません。

ひとりで事業を営むなら、緊急度の高い側を選ぶほうが回ります。相手が困り始めるまで待って育てる体力が、そもそもないからです。締切がある、作業が止まっている、困っていることを自覚している。この3つが揃う場面は、話が早く進みます。

軸3|予算感

困っていても、お金を払う気がない場面はあります。無料で我慢できる困りごとは、どれだけ丁寧に解決しても売上になりません。

見分け方は単純です。その人が今、同じ困りごとにいくら払っているかを調べてください。すでに何かに払っているなら、払う気はあります。何にも払っていないなら、その困りごとは我慢できる範囲に収まっています。

金額の水準も、ここで見ておきます。月1,000円までしか出せない場面と、10万円出せる場面では、必要な件数が変わります。単価の低い場面を選ぶと件数で埋めることになり、ひとりの手数では足りなくなります。

軸4|その人が今いる場所

困りごとを抱えた人が、今どこにいるか。検索なのか、SNSなのか、同業のつながりなのか、地域の集まりなのか。ここが書けないと、絞った相手に届ける手段がありません。

届かない場所にいる人を選んでも、絞った意味は出ません。ほかの3つの軸で理想的に見えた場面でも、その人がどこにいるかを書けないなら、いったん保留にしてください。手が届く範囲にいるかどうかは、ひとりで事業をするなら外せない条件です。

絞り込みの手順|書き出す・軸で狭める・1文で言い切る

軸がそろったら、手を動かします。3つの工程で、絞り込みは終わります。

手順1|困っている場面を10個書き出す

いきなり1つに決めようとすると止まります。数を出してから選ぶほうが、結局は早く進みます。

自分が見聞きした詰まりを、10個書き出してください。過去の自分が詰まったこと、仕事で相談されたこと、同業が愚痴っていたこと。想像で作らず、実際に見た場面だけを書きます。

10個出ないなら、絞る前の材料が足りていません。売るものの案そのものが出ていない場合もあります。素材から集め直すなら事業アイデアの発想が起点になります。

手順2|4つの軸で狭める

書き出した10個に、4つの軸を当てます。自分が理解できるか。緊急度は高いか。お金が動いているか。その人のいる場所を書けるか。

4つとも当てはまる場面は、たいてい1つか2つしか残りません。1つも残らないなら、緩めるのは緊急度のほうです。**予算感だけは緩めないでください。**お金が動かない場面は、どれだけ緊急でも売上に変わりません。

手順3|1文で言い切る

残った場面を、1文に書きます。型は「いつ・どこで・何をしようとして詰まっている人」です。

「開業して3か月、初めての請求書を作ろうとして、書式も税率もわからないまま金曜の夜に検索している人」。この長さで構いません。短く磨くのは、この先の作業です。

書いた1文は、声に出して読んでください。読んで違和感が出るなら、まだ場面が見えていません。この1文は、そのままコンセプトの「誰に」の欄に置けます。3点の組み立て方は誰に・何を・どのようにで解説しています。

絞りすぎの見極め|狭さではなく、その場面に人がいるかで見る

絞っていくと、必ず不安が出ます。「ここまで狭くして、お客さんはいるのか」。ただ、絞りすぎかどうかは、狭さの度合いでは測れません。

見るところ絞りすぎではない絞りすぎ
その場面にいる人心当たりを3人挙げられる1人も挙げられない
お金の動き似た困りごとに誰かが払っている誰も払っていない
届く場所その人が集まる場所を書けるどこにいるのかわからない

心当たりの人を3人挙げられるか

絞った場面に当てはまる人を、3人思い浮かべてください。名前まで出なくても、「あの勉強会にいた人」程度で構いません。3人挙がるなら、その場面に人はいます。

1人も挙がらないなら、狭すぎるのではなく、実在しない場面を作った可能性があります。属性を重ねて組み立てた場面ほど、この状態になりやすいものです。

狭いことが不利にならない理由

ひとりで事業を営むなら、必要な件数はもともと多くありません。月に10件で回る事業に、10万人の市場は要らないという単純な話です。

大手が同じ場面を取りにいかないのも、市場が小さいからです。人を抱えて回す事業では、小さい市場は割に合いません。小ささは、ひとりで事業をする側から見れば、参入されにくさに変わります。

合わない人を先に決めて芯を立てる考え方は、万人受けを捨てる考え方で解説しています。絞る不安が消えないうちは、こちらを先に読むほうが手が動きます。

絞り足りない側の合図

絞りすぎより多いのは、絞り足りない状態です。合図は3つあります。書いた「誰に」を読んでも商品が思い浮かばない。集客の言葉が「丁寧に対応します」から動かない。来た依頼を全部受けている。

どれかに当てはまるなら、まだ狭められます。狭くする不安を抱えるより、ぼやけたまま半年進むほうが重い損失になります。

絞ったあと、日々の判断はどう変わるか

絞っても、売上が翌週に動くわけではありません。変わるのは、迷う回数と、迷ったときにかかる時間です。

発信する場所は「今いる場所」の欄が決めます。値段の説明は「予算感」の欄から出てきます。受けるか断るかは、絞った場面に当てはまるかどうかで答えが出ます。ゼロから考える回数が減るぶん、手数の少なさが問題になりにくくなります。

絞った1文が書けたら、その1人を鮮明に描く作業へ進めます。手順はペルソナ設計にあります。絞った「誰に」を事業の形につなぐなら事業コンセプト設計が、開業までの流れに戻るなら独立・開業の始め方が続きです。

書いた場面をAIに読ませて、当てはまる人が実在しそうか、ほかにどんな困りごとが同居しそうかを出させる使い方もできます。ただ、実在するかを最後に確かめるのは、その場面にいる人に会える自分のほうです。AIは、検索できる範囲の外にいる人を知りません。

半年後に、絞った場面がずれていたとわかることもあるでしょう。そのときは書き直してください。書いていない状態からは、ずれていたことすらわかりません。

よくある質問

ターゲットは、どこまで絞ればいいですか。 その場面に当てはまる人を3人思い浮かべられて、その人たちがどこにいるかを書けるところまでです。属性をいくつ重ねたかでは測れません。「開業3か月で初めての請求書に詰まっている人」のように、いつ・何をしようとして困っているかが書けていれば、届ける言葉が出てきます。

属性で絞ってはいけないのですか。 使い分けます。広告の配信先を選ぶときや媒体を決めるときは、属性の指定が必要になります。ただ、誰に向けた言葉を作るかを決める段階では、属性から入ると手が止まります。同じ年齢・同じ年収の人の中に、まったく違う困りごとが同居しているからです。

絞ると、お客さんが減りませんか。 届く範囲の人数は減ります。ただ、ひとりで事業を営むなら必要な件数はもともと多くありません。月に10件で回る事業に、10万人の市場は要らないからです。狭い場面で言い切ったほうが、その場面にいる人からは選ばれやすくなります。

困りごとが思いつかないときは、どうすればいいですか。 想像で作らず、実際に見た場面から拾ってください。過去の自分が詰まったこと、仕事で相談されたこと、同業が話していた不満。10個書き出して1つも残らないなら、絞る前の材料が足りていません。売るものの案から出し直すほうが早く進みます。

絞ったターゲットは、あとから変えてもいいですか。 変えて構いません。売ってみた反応を見て変えるのは自然なことです。ただし、変えると集客の言葉も値付けの説明も組み直しになります。思いつきで動かすのではなく、この場面の人は動かなかったという事実を確かめてから変えてください。

まとめ

ターゲットの絞り込みは、属性を重ねる作業ではありません。「30代女性・都内在住・年収400万円台」と5つ並べても、その人が何に困っているかは出てきません。同じ属性の中に、違う困りごとが同居しているからです。

絞る軸は4つあります。困りごとの種類、緊急度、予算感、その人が今いる場所。この4つを当てて狭めていくと、届ける結果も、値段の説明も、発信する場所も決まります。

手順は3つです。実際に見た場面を10個書き出し、4つの軸で狭め、残った場面を1文で言い切る。「いつ・どこで・何をしようとして詰まっている人」の形に収まれば、絞り込みは終わりです。

絞りすぎかどうかは、狭さでは測れません。心当たりの人を3人挙げられて、誰かがその困りごとにお金を払っていて、その人のいる場所を書ける。この3つが揃うなら、どれだけ狭くても進めます。頭の中で決めようとせず、10個書き出すところから始めてください。

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