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個人事業主とフリーランスの違い|税区分と働き方・開業届の要否

personスモゼミ編集部 event2026-07-11 公開 event_available最終確認 2026-07-10
個人事業主とフリーランスの違い|税区分と働き方・開業届の要否

「個人事業主とフリーランスは何が違うのか」と聞かれて、はっきり答えられる人は多くありません。じつは、この2つは比べるものというより、別の角度から同じ人を見た言葉です。

この記事の要点

  • フリーランスは「働き方」の呼び名、個人事業主は「税の区分」です。角度が違うだけで、対立するものではありません。
  • 多くのフリーランスは、開業届を出して個人事業主でもあります。両者は重なります。
  • 税金や社会保険のしくみは、どちらも基本は同じです。違いは開業届の有無や、青色申告が使えるかに出ます。
  • フリーランスでも、事業として続けるなら開業届を出すほうが、節税などの面で有利です。

結論:違いは「働き方」か「税の区分」か

先に結論を言うと、フリーランスと個人事業主は、次のように見る角度が違うだけです。

  • フリーランス:組織に属さず、案件ごとに契約して働く「働き方」の呼び名
  • 個人事業主:税務署に開業届を出して事業を営む「税の区分」

だから、フリーランスとして働く人が開業届を出せば、その人は働き方はフリーランスで、税の区分は個人事業主、ということになります。どちらか一方を選ぶ話ではありません。

フリーランスとは

フリーランスとは、会社や組織に雇われず、自分のスキルで案件ごとに仕事を請け負う働き方を指します。エンジニア、デザイナー、ライター、コンサルタントなど、職種はさまざまです。

長らく法律上の明確な定義はありませんでしたが、2024年11月1日に、いわゆるフリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)が施行されました(政府広報オンライン、2026年7月時点)。この法律で、発注する側には、取引条件を書面などで明示することや、仕事を受け取った日から原則60日以内に報酬を支払うことなどが義務づけられました。つまり、フリーランスという働き方が、取引のルールの面から守られるようになったということです。

個人事業主とは

個人事業主とは、税務署に開業届を出して、個人で継続的に事業を営む人のことです。こちらは働き方ではなく、税金の世界での区分です。

会社をつくらずに、自分の名前で反復・継続して事業を行い、開業届を提出していれば個人事業主に当たります。定義や開業の手順をくわしく知りたい人は、個人事業主とは|なり方・税金・経費・法人化まで完全ガイドを読んでください。

パソコンで働くフリーランスの様子

具体的に何が違うのか

働き方と税区分という視点の違いは、実務では次の3点に表れます。

項目フリーランス(開業届なし)個人事業主(開業届あり)
開業届出していない出している
青色申告使えない(白色のみ)使える(最大65万円控除)
屋号名乗りにくい屋号を届け出て使える

いちばん大きいのは、青色申告が使えるかどうかです。開業届と青色申告承認申請書を出していないと、青色申告特別控除(最大65万円)が受けられません。

同じ収入でも、控除の有無で納める税金が変わります。逆に言えば、開業届を出すだけで、この節税の入口に立てます。

税金と社会保険は、どちらも基本は同じ

ここは誤解されやすいところです。個人事業主とフリーランスで、税金や社会保険のしくみそのものが変わるわけではありません。

どちらも、1年間の所得を自分で計算して確定申告し、所得税や住民税を納めます。会社員のときの厚生年金と健康保険からは外れ、国民年金と国民健康保険に自分で加入します。

この点は、開業届を出していてもいなくても同じです。違うのは、開業届を出して青色申告を選べるかどうか、という手続き面だけだと考えてください。

開業や数字を確認するデスク

フリーランスは開業届を出すべきか

結論から言うと、事業として継続して収入を得ているなら、フリーランスでも開業届を出すのが基本です。理由は主に3つあります。

  1. 節税できる:青色申告が使え、最大65万円の控除で税負担を下げられます。
  2. 屋号の口座がつくれる:屋号を届け出れば、屋号名の銀行口座を開設でき、事業の信用につながります。
  3. 事業として証明しやすい:融資や補助金の申請で、事業を営んでいることを示しやすくなります。

いっぽうで、注意点もあります。会社を辞めて開業届を出すと、原則として雇用保険の失業給付は受けられなくなります。

すでに事業を始めた、と見なされるためです。退職後すぐに独立するのか、しばらく求職するのかで、届け出のタイミングを考えるとよいでしょう。

どちらを名乗ればいいか

名乗り方は、相手と場面で使い分ければ十分です。仕事の相手に働き方を伝えるなら「フリーランス」、税務署や役所の手続き、融資の場面では「個人事業主」がなじみます。どちらも同じ自分を指すので、無理に統一する必要はありません。

よくある質問

フリーランスと個人事業主は何が違いますか。 フリーランスは「働き方」の呼び名、個人事業主は「税の区分」です。フリーランスが開業届を出すと、税法上は個人事業主にもなります。対立ではなく重なる関係です。

フリーランスは開業届を出さないといけませんか。 義務ではありませんが、事業として継続的に収入を得ているなら提出が原則です。開業届を出すと青色申告が使え、節税や屋号口座の面で有利になります。

税金や社会保険は違いますか。 基本は同じです。どちらも確定申告を行い、国民年金と国民健康保険に加入します。違いは開業届の有無や青色申告が使えるかに出ます。

フリーランス新法で何が変わりましたか。 2024年11月の施行で、発注側に取引条件の明示や60日以内の報酬支払などが義務づけられ、フリーランスの取引が守られるようになりました。

まとめ

個人事業主とフリーランスは、比べるものではなく、税の区分と働き方という別の角度から同じ人を見た言葉です。多くのフリーランスは、開業届を出して個人事業主でもあります。税金や社会保険のしくみは共通で、違いは開業届の有無と青色申告が使えるかに表れます。

事業として続けるなら、フリーランスでも開業届を出して、青色申告の節税を使うのが基本です。始め方の全体像は、次の記事でつかめます。

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