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フリーランスとは|働き方の定義と2024年施行フリーランス新法の保護

personスモゼミ編集部 event2026-07-16 公開 event_available最終確認 2026-07-16

「フリーランス」という言葉は、働き方をあらわす呼び名です。会社に雇われず、案件ごとに仕事を受けて働く人を指します。よく似た「個人事業主」と混同されがちですが、こちらは税務上の区分で、見ている角度が違います。

2024年11月には、フリーランスを守る新しい法律も始まりました。取引条件の明示や、報酬を支払う期日のルールが、発注する側に義務づけられています。

この記事では、フリーランスとは何かという働き方の定義から、案件ごとの契約のしくみ、フリーランス新法による保護までを、公式の情報をもとに解説します。

税区分としての個人事業主との違いは、個人事業主とフリーランスの違いで詳しく解説しています。ここでは働き方と契約、法律の保護に絞ります。

制度や金額は改正で変わります。最終的には公正取引委員会や厚生労働省の案内もあわせて確認してください。

この記事の要点

  • フリーランスは「働き方」を指す言葉です。会社に雇われず、案件ごとに仕事を受ける人のことを指します。
  • 税務上の区分である個人事業主とは、見ている角度が違います。同じ1人が両方に当てはまることも多くあります。
  • フリーランスの仕事は、雇用契約ではなく案件ごとの業務委託で動きます。だから契約と取引条件の確認が土台になります。
  • 2024年11月施行のフリーランス新法は、取引条件の明示や、受領日から60日以内の報酬支払いを発注側に義務づけています。
  • 報酬の減額や受領拒否などの禁止行為、募集情報の的確表示、育児介護への配慮、ハラスメント対策、中途解除の予告も定められています。

フリーランスとは|会社に雇われず案件ごとに働くこと

フリーランスとは、会社に雇われず、案件ごとに仕事を受けて働く人のことです。特定の勤め先に属さず、自分の名前や屋号で仕事を請け負います。

英語のfreelanceは、もともと特定の主君に仕えない傭兵を指した言葉といわれています。今は職種を問わず、組織に所属しない働き方の呼び名として広く使われています。

たとえばエンジニア、デザイナー、ライター、カメラマン、コンサルタント。会社を通さず、自分に直接仕事が来る形で働いていれば、その人はフリーランスです。

フリーランスと個人事業主は、対立していません

フリーランスと個人事業主は、よく「どちらが得か」と比べられます。ただ、この2つは比べる対象ではありません。見ている角度が違うからです。

言葉何を指すか
フリーランス働き方(会社に雇われず案件ごとに働く)
個人事業主税務上の区分(開業届を出して事業所得で申告する)
会社員雇用のかたち(会社と雇用契約を結ぶ)

フリーランスは働き方の呼び名で、個人事業主は税金の世界での区分。だから、会社に雇われず働くフリーランスの多くは、税務上は個人事業主でもあります。同じ1人が、角度を変えれば両方に当てはまるわけです。

税区分としての詳しい違いは、個人事業主とフリーランスの違いで解説しています。ここでは深入りせず、働き方としてのフリーランスに絞ります。

名乗るだけでは、税務上の扱いは変わりません

会社に雇われず働き始めても、「フリーランスです」と名乗るだけでは、税務上の扱いは動きません。税務上の立場は、税務署に開業届を出したか、事業所得で確定申告をしているかで決まるからです。

継続して事業の収入を得るなら、開業届を出して申告するのが原則です。届け出の要否や手順は、この枝の入口である働き方・立場の基礎個人事業主とは何かで解説しています。

フリーランスの仕事は、案件ごとの契約で動く

会社員は、会社と1本の雇用契約を結び、その関係が続くあいだ働きます。フリーランスは違います。仕事のたびに、発注する相手と業務委託の契約を結び直します。

契約が案件ごとに切り替わることは、自由と引き換えに、条件面の不安定さを生みます。だから、1件ごとに条件をきちんと確かめることが土台になります。

業務委託には、請負と準委任があります

業務委託は、法律上は大きく請負と準委任に分かれます。どちらの契約かで、報酬が発生する条件や責任の重さが変わります。

請負は、成果物を完成させて渡すことで報酬が発生する契約です。たとえばWebサイトを1つ作って納品する、といった仕事が当てはまります。

準委任は、仕事を進めること自体を引き受ける契約で、成果物の完成までは約束しません。相談に乗る、運用を代行する、といった継続的な仕事が近いかたちです。

契約を結ぶ前に、成果物の完成が条件なのか、作業そのものが対象なのかを確かめてください。ここがあいまいだと、どこまでやれば報酬をもらえるのかで、あとからもめやすくなります。

だから、取引条件の確認が土台になります

案件ごとに契約が変わるフリーランスにとって、条件のあいまいさは大きなリスクです。「言った言わない」で報酬や納期がもめると、立場の弱いフリーランス側が損をしやすいからです。

この弱さを法律の面から補うのが、2024年に始まったフリーランス新法です。

フリーランスを守る、2024年施行のフリーランス新法

フリーランスの取引を守る法律が、2024年11月1日に施行されました。正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」で、「フリーランス・事業者間取引適正化等法」とも呼ばれます(政府広報オンライン、2026年7月時点)。

この法律は、フリーランスに仕事を発注する事業者へ、いくつかの義務を課しています。取引の適正化にかかわる部分は公正取引委員会と中小企業庁が、働く環境にかかわる部分は厚生労働省が担当します(公正取引委員会、2026年7月時点)。

誰が対象になるか|フリーランスと発注事業者

法律の対象になるフリーランスは、「特定受託事業者」と呼ばれます。業務委託を受ける個人で、従業員を雇っていない人などが当てはまります。

仕事を発注する側は「特定業務委託事業者」と呼ばれ、従業員を雇って業務を委託する事業者が対象です。つまり、従業員のいる会社などからフリーランスへ発注する取引が、広くこの法律の守備範囲に入ります。

取引条件の明示|口約束をなくす

発注事業者は、フリーランスに仕事を委託したとき、取引条件を明示しなければなりません。委託する業務の内容、報酬の額、支払期日などが対象です(公正取引委員会、2026年7月時点)。

明示の方法は、書面だけに限りません。メールやSNSのメッセージなど、あとで確認できる形であれば認められます。口約束で仕事を始めていた人にとって、条件が記録に残る意味は小さくないでしょう。

報酬の支払期日|受け取った日から60日以内

報酬をいつまでに払うかにも、上限のルールがあります。発注事業者は、成果物を受け取った日から数えて60日以内の、できるかぎり短い期間で支払期日を定め、その期日までに報酬を支払わなければなりません(政府広報オンライン、2026年7月時点)。

例外もあります。発注事業者が別の会社から受けた仕事をフリーランスへ再委託した場合は、元の発注者からの支払期日を起点に、30日以内で定めることができるとされています。支払いが遅いと感じたときは、この60日のルールを思い出してください。

禁止されている行為|1か月以上の委託で効く

1か月以上の業務委託では、発注事業者に7つの禁止行為が定められています。フリーランスに責任がないのに、次のような扱いをすることが禁じられます(公正取引委員会、2026年7月時点)。

  • 成果物の受け取りを拒む(受領拒否)
  • あとから報酬を減らす(報酬減額)
  • 受け取った成果物を返す(返品)
  • 相場より著しく低い報酬を不当に定める(買いたたき)
  • 指定する商品やサービスを買わせる(購入・利用強制)
  • 金銭やサービスなど、不当な利益を提供させる
  • 不当に成果物の内容を変えさせる、やり直させる

これらは、立場の強い発注側がやりがちな行為をならべたものです。心当たりのある扱いを受けたら、契約や連絡の記録を残しておいてください。

働く環境の保護|募集・育児介護・ハラスメント・中途解除

取引だけでなく、働く環境の面でも保護があります。厚生労働省が担当する部分です(厚生労働省、2026年7月時点)。

募集情報の的確表示では、広告などで人を募るときに、うその内容や誤解を招く表示をしないことが求められます。

育児や介護との両立への配慮も定められています。6か月以上の業務委託では、フリーランスからの申し出に応じて配慮することが義務とされ、6か月未満では配慮するよう努める義務にとどまります。

ハラスメントについては、発注事業者に相談体制を整えることが義務づけられています。

さらに、6か月以上の継続的な業務委託を、途中で解除したり更新しなかったりする場合には、原則として30日前までに予告し、求めがあれば理由を示すことが必要とされています。急に契約を切られる不安を、法律の面からやわらげるしくみです。

AI時代に、フリーランスがまず整えること(次の一歩)

フリーランスとして続けるうえで先に整えたいのは、契約と条件を記録に残すしくみと、お金の流れを管理するしくみです。法律が守ってくれる範囲も、記録がなければ主張しづらいからです。

契約と取引条件を、あとで見返せる形にする

フリーランス新法は、取引条件をメールやメッセージで残すことも認めています。だからこそ、口頭で決めた内容も、そのつど文字にして相手と共有しておくと安心です。

やりとりを1か所にまとめ、いつ何を合意したかを検索できるようにしておく。こうしておけば、報酬や納期でもめたときに、事実をもとに話ができます。

見積り・請求・入金の管理をAIで軽くする

案件ごとに契約が変わるフリーランスは、見積りや請求の作業が積み重なりがちです。ここを手作業のままにすると、本来の仕事に使える時間が削られていきます。

請求書の作成をテンプレート化する。入金の消し込みを会計ソフトに任せる。契約書の下書きやメール文面をAIに用意させ、自分で最終確認する。こうした手数の削減があれば、案件が増えても管理に押しつぶされずに済むでしょう。

よくある質問

フリーランスと個人事業主は何が違いますか。 フリーランスは働き方を指す言葉で、個人事業主は税務上の区分です。見ている角度が違うだけで、対立する関係ではありません。会社に雇われず案件ごとに仕事を受ける人がフリーランス、税務署に開業届を出して事業所得で申告する人が個人事業主です。同じ1人が両方に当てはまることも多くあります。

フリーランスになるのに届け出は必要ですか。 「フリーランスです」と名乗るだけなら届け出は要りません。ただし継続して事業の収入を得るなら、税務署へ開業届を出し、確定申告をするのが原則です。名乗りと税務上の扱いは別なので、収入が続くようであれば届け出を検討してください。

フリーランス新法とは何ですか。 正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」で、2024年11月1日に施行されました。フリーランスに仕事を発注する事業者へ、取引条件の明示や報酬の支払期日などを義務づけ、取引と就業環境を守る法律です。

報酬はいつまでに支払われますか。 フリーランス新法では、発注事業者が成果物を受け取った日から原則60日以内の、できるかぎり短い期間で支払うよう定められています。別の会社からの仕事を再委託された場合は例外があり、元の発注者からの支払期日を起点に30日以内とすることもできるとされています。

報酬が支払われない、条件が後から変わったときはどこに相談できますか。 厚生労働省や公正取引委員会が相談窓口を案内しています。まずは契約や取引条件のやりとりを記録に残したうえで、公式の窓口に相談してください。

まとめ

フリーランスとは、会社に雇われず、案件ごとに仕事を受けて働く人を指す言葉です。税務上の区分である個人事業主とは、見ている角度が違うだけで、同じ1人が両方に当てはまることも多くあります。

フリーランスの仕事は、1本の雇用契約ではなく、案件ごとの業務委託で動きます。請負か準委任かで報酬や責任のかたちが変わるため、契約と取引条件の確認が土台になります。

2024年11月に施行されたフリーランス新法は、この弱さを補う法律です。取引条件の明示、受領日から60日以内の報酬支払い、報酬減額などの禁止行為、募集情報の的確表示、育児介護への配慮、ハラスメント対策、中途解除の予告が、発注する側に義務づけられました。

守られる範囲は広がりました。ただし、記録がなければ権利は主張しづらいものです。条件を文字で残し、見積りや請求の手数をAIで軽くしておくことが、ひとりで続けるための次の一歩になります。

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