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手形・でんさいとは|企業間決済の道具と注意点

personスモゼミ編集部 event2026-07-23 公開
手形・でんさいとは|企業間決済の道具と注意点

事業のお金の集め方や資金化には、融資や出資、補助金のほかにも、いくつかの道具があります。そのなかで、企業どうしの取引(BtoB)でとくに顔を出すのが、約束手形と、それを電子化したでんさい(電子記録債権)です。

これらは、消費者を相手にするひとり事業には縁が薄いことも多い道具です。日々の支払いを現金やカード、振込で済ませていれば、手形という言葉を聞く機会は少ないかもしれません。けれど、企業を取引先に持つようになると、事情が変わります。相手から手形を受け取る、あるいはでんさいでのやり取りを求められる、といった場面が出てくることがあります。

この記事では、約束手形とでんさいが「どういう仕組みで、どんな性格を持ち、どこに注意すべきか」を落ち着いて整理します。金額や割引率、期日までの日数といった具体的な数字には立ち入りません。使うかどうかを決める手前で、まず道具の顔つきを知ることを目的にしています。

なお、手形やでんさいは、売掛金や現金の出入りをどう回すかという資金繰りの話とも隣り合っています。資金繰りそのものの考え方は資金繰りとは資金繰り表に譲り、ここでは道具の性格に絞って見ていきます。

この記事の要点

  • 約束手形とは、支払いを一定の期日まで先延ばしできる証券です。受け取った側は期日に現金化でき、期日前に割り引いて早めに資金化する道もありますが、決済できない「不渡り」を出すと信用を大きく損なう重さがあります。
  • でんさい(電子記録債権)は、手形の機能を電子化したもので、でんさいネットという仕組みの上で扱われます。紙のやり取りに伴う手間や紛失・盗難などのリスクを減らす方向の道具とされています。
  • 約束手形については、将来的に利用を縮小・見直していく流れがあるとされますが、時期や方針を数値で断定できる段階ではありません。最新は公式で確認してください。
  • ひとり事業では使う場面が少なくても、取引先から受け取る側として仕組みと注意点を知っておくと、いざというときに落ち着いて判断できます。

約束手形とは、支払いを先延ばしにできる証券

約束手形とは、支払う人(振り出す側)が「いつまでに、いくらを支払う」と約束して発行する証券です。ふつうの現金払いや振込が「その場で支払う」ものだとすれば、手形は「支払いを一定の期日まで先延ばしにする」ための道具だと考えると、性格がつかみやすくなります。

振り出す側から見ると、手元の現金がまだ十分でなくても、期日までの猶予を得たうえで取引を進められる、という利点があります。仕入れなどで先に支払いが必要になる場面で、この先延ばしの機能が使われてきました。

受け取る側から見ると、手形は「期日になれば決められた金額を受け取れる」約束を手にした状態です。期日を待てば現金化できます。さらに、期日より前にお金が必要になったときには、金融機関などで手形を割り引いてもらい、早めに資金化する道もあります。ただし、早く受け取る代わりに一定の手数料が差し引かれるのが一般的で、その負担の大きさは条件によって変わります。ここでは具体的な数字には触れませんが、早期の資金化にはコストが伴う、という性格だけ押さえておくと十分です。

なお、売掛金そのものを早めに資金化する手段としては、ファクタリングという別の道具もあります。手形の割引とは仕組みも注意点も異なるため、その違いはファクタリングとはに譲ります。ここでは、手形にも早期資金化の道がある、という点にとどめておきます。

不渡りという重さを知っておく

手形を語るうえで欠かせないのが、「不渡り」という言葉です。これは、手形の期日が来たのに、振り出した側が決済できない状態を指します。つまり、約束した支払いが果たせなかった、ということです。

不渡りが重いのは、単にその一件の支払いが滞るだけでは終わらないとされる点にあります。一般に、不渡りを出すと、その事業者の信用は大きく損なわれると言われます。取引の世界では「約束した支払いを守れなかった相手」という評価が広がりやすく、その後の取引や資金の調達にも影響が及ぶことがあるとされています。

この重さは、手形を振り出す側だけの話ではありません。受け取る側にとっても、「受け取った手形が本当に期日に決済されるか」は、相手の信用にかかっています。相手が不渡りを出せば、期日に受け取れるはずだったお金が入ってこない、という事態になりかねません。

だからこそ、手形は「相手を信用できるか」という取引の土台と切り離せない道具です。振り出す側は約束の重さを負い、受け取る側は相手の信用を見極める。手形が単なる支払いの紙ではなく、信用のやり取りそのものだと言われるのは、この不渡りの重さがあるためです。

白い小型カードリーダーにクレジットカードを差し込む手元

でんさい(電子記録債権)とは、手形を電子化したもの

でんさい(電子記録債権)は、いま見てきた手形の機能を電子化した道具です。でんさいネットと呼ばれる仕組みの上で記録され、やり取りされます。でんさいネットは、全国銀行協会の系列にあたる機関が運営しているとされています。

でんさいの基本の性格は、手形に近いものです。支払いを一定の期日まで先延ばしにし、期日に決済する。受け取った側が期日前に早めに資金化する道がある、という点も共通しています。手形が持っていた機能を、紙ではなく電子的な記録で扱えるようにしたもの、と考えると分かりやすくなります。

電子化によって変わるのは、主に手間とリスクの面だとされています。紙の手形では、証券そのものを作成し、郵送し、保管し、期日には金融機関に取り立てを頼む、といった手間がかかりました。また、紙である以上、紛失や盗難の心配もつきまといます。でんさいでは物理的な紙をやり取りしないため、こうした手間やリスクを減らせるとされています。

その意味で、でんさいは手形の代わりというより、手形が担ってきた役割を、より扱いやすい形に移していく方向の道具だと位置づけられます。取引先からでんさいでのやり取りを求められる場面もあるため、名前と大まかな性格は知っておくと役立ちます。でんさいの仕組みや利用の詳細は、公式サイト(でんさいネット https://www.densai.net/)で確認できます。

手形とでんさいの性格を並べて見る

言葉で追うより、性格を並べたほうが違いがはっきりします。数字ではなく、あくまで道具としての顔つきの比較として見てください。

見る点約束手形でんさい(電子記録債権)
紙の証券電子的な記録
基本の機能支払いを期日まで先延ばし支払いを期日まで先延ばし(手形と同様)
早期の資金化割引で早めに現金化する道がある早めに資金化する道がある
手間・リスク作成・郵送・保管の手間、紛失や盗難の心配紙をやり取りしないため手間やリスクを減らせるとされる
扱う場所取引先とのあいだで直接やり取りでんさいネットの仕組みの上で扱う

表のとおり、両者は対立する道具ではなく、同じ機能を別の形で担っていると捉えるのが自然です。でんさいは、手形の重さや手間を電子化でやわらげる方向にある、と見ておくとよいでしょう。

制度の変化に注意する

手形とでんさいを考えるうえで、もうひとつ押さえておきたいのが、制度や慣行が変わりつつあるという点です。

約束手形については、将来的に利用を縮小・見直していく流れがあるとされています。紙の手形に伴う手間やリスク、支払いを受ける側の負担といった課題が指摘され、でんさいなどへの移行が促されているとされます。ただし、その時期や具体的な方針を、ここで数値や年限で断定することはしません。制度は改定されやすく、うろ覚えの数字を書くとかえって誤解を招くためです。

大切なのは、「手形をめぐる扱いは今後変わっていく可能性がある」という方向感を持っておくことです。そのうえで、実際に手形やでんさいにかかわる場面が来たら、最新の状況を確かめる。この二段構えで臨めば、古い前提のまま判断してしまう失敗を避けられます。

手数料や条件、制度の最新は、必ず取引先や金融機関、公式で確認してください。手形や決済をめぐる全体的な状況は、全国銀行協会の公式サイト(https://www.zenginkyo.or.jp/)で示されています。手形の見直しの流れについても、こうした公的な機関や金融機関の公式情報で確かめるのが確実です。

AI時代の応用・次の一歩

手形やでんさいという聞き慣れない道具を調べるとき、生成AIは下ごしらえに使えます。

たとえば、「約束手形とでんさいの仕組みの違いを、取引先から受け取る側の目線でかみくだいて説明して」と投げると、言葉の整理を手伝ってもらえます。頭のなかだけで用語をこねるより、たたき台を出してもらってから自分の取引に当てはめるほうが、理解は進みやすくなります。取引先とのやり取りで出てきた言葉の意味を確かめる、といった使い方にも向いています。

ただし、注意点があります。手形やでんさいをめぐる制度は見直しが進みつつあり、割引や手数料といった具体的な条件、そして制度の今後の扱いは、AIが古い情報のまま答えてしまうことがあります。AIの答えは、仕組みをつかむ下書きとしては役立ちますが、実際の条件や最新の制度は、必ず一次情報で確かめてください。手数料や条件、制度の最新は、取引先・金融機関・公式で確認する。これを習慣にしておくと安全です。

次の一歩としては、いまの自分の取引に手形やでんさいがかかわりそうかを、いちど見渡してみてください。かかわらなそうなら、名前と大まかな性格を知っておくだけで十分です。かかわりそうなら、受け取る側としての注意点を押さえたうえで、資金繰り全体の流れは資金繰りとは資金繰り表で確かめていくと、道具の位置づけがはっきりします。

よくある質問

約束手形とは、どういうものですか。 支払う人が「いつまでにいくら支払う」と約束して振り出す証券で、支払いを一定の期日まで先延ばしにできる道具です。受け取った側は期日になれば現金化でき、期日より前に金融機関などで割り引いて早めに資金化する道もあります。ただし、期日に決済できないと不渡りとなり、信用を大きく損なう重さがあります。仕組みや取り扱いは変わることがあるので、最新は取引先や金融機関、公式で確認してください。

でんさい(電子記録債権)とは、手形と何が違うのですか。 でんさいは、手形が持っていた「支払いを先延ばしにして期日に決済する」機能を電子化したもので、でんさいネットという仕組みの上で扱われます。紙をやり取りしないため、紛失や盗難の心配が減り、作成や郵送の手間もかかりにくいとされています。性格としては手形に近い一方、電子化によって扱いの手間やリスクを減らす方向の道具だと考えると分かりやすくなります。

約束手形は、これからも使い続けられますか。 手形については、将来的に利用を縮小・見直していく流れがあるとされています。ただし、その時期や具体的な方針を数値で断定できる段階ではありません。取引の現場では今も使われる場面がありますが、今後の扱いは変わっていく可能性があります。最新の状況は、全国銀行協会などの公式情報で確認するのが確実です。

ひとり事業でも、手形やでんさいを知っておく必要はありますか。 消費者を相手にする事業では縁が薄いことも多い道具です。ただし、企業を取引先に持つと、手形を受け取ったり、でんさいでのやり取りを求められたりする場面があります。そうしたとき、仕組みや注意点を知らないままだと判断に迷います。使う予定がなくても、受け取る側として性格を押さえておくと落ち着いて対応できます。

まとめ

約束手形とは、支払いを一定の期日まで先延ばしにできる証券です。受け取った側は期日に現金化でき、期日前に割り引いて早めに資金化する道もあります。ただし、期日に決済できない不渡りを出すと信用を大きく損なう、という重さを持つ道具です。手形が単なる紙ではなく信用のやり取りそのものだと言われるのは、この重さがあるためです。

でんさい(電子記録債権)は、その手形の機能を電子化したもので、でんさいネットの仕組みの上で扱われます。紙のやり取りに伴う手間や紛失・盗難のリスクを減らす方向の道具とされ、手形の役割をより扱いやすい形に移していくものだと位置づけられます。

なお、約束手形については、将来的に利用を縮小・見直していく流れがあるとされますが、その時期や方針を数値で断定できる段階ではありません。ひとり事業では使う場面が少なくても、取引先から受け取る側として仕組みと注意点を知っておくと、いざというとき落ち着いて対応できます。手数料や条件、制度の最新は、必ず取引先・金融機関・公式で確認してください。

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