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会社員と個人事業主の社会保険の違い|守られる立場から備える立場へ

personスモゼミ編集部 event2026-07-24 公開 event_available最終確認 2026-07-24
会社員と個人事業主の社会保険の違い|守られる立場から備える立場へ

会社を辞めて個人で事業を始めるとき、多くの人が意識するのは、収入や仕事の取り方の変化かもしれません。けれども、それと同じくらい大きく変わるのに、意外と後回しにされがちなのが、社会保険の仕組みです。病気やケガに備える医療保険、老後に備える年金。これらの入り方が、会社員と個人事業主とではまるごと切り替わります。

会社員でいるあいだは、社会保険の多くが会社を通じて自動的に整えられ、給与から天引きされる形で手続きも進みます。そのため、自分がどんな制度に入っているのかを深く意識せずに過ごせた、という人も少なくありません。ところが独立すると、その多くを自分で選び、自分で手続きし、自分で納めることになります。

この記事では、会社員と個人事業主で社会保険がどう違うのかを、医療保険と年金を中心に、性格の違いとして見渡します。保険料の金額や料率、年金の受取額といった具体的な数字には踏み込みません。これらは改定されるうえ、状況によっても変わるためです。ここでねらうのは、数字ではなく「守られる立場から、自分で備える立場へ」という仕組みの移り変わりをつかむことです。

なお、この記事は社会保険という切り口に絞った入り口です。個人事業主という働き方そのものの一般的な話は個人事業主とはにゆずり、ここでは会社員との社会保険の違いだけを落ち着いて整理します。

この記事の要点

  • 会社員と個人事業主では、加入する社会保険そのものが切り替わります。医療保険は健康保険から国民健康保険へ、年金は厚生年金から国民年金へ、というように制度が変わるのが基本です。
  • 保険料の負担のしかたが変わります。会社員は会社と分け合って負担し天引きされるのに対し、個人事業主は原則として自分で全額を負担し、自分で納める形になるとされます。
  • 老後の備えの厚みが変わります。会社員の厚生年金は国民年金への上乗せの性格を持つとされ、個人事業主にはその上乗せがないため、自分で備えを厚くする必要が出てくるとされます。
  • 会社員時代の「扶養」の考え方も変わります。金額や料率、扶養から外れる条件といった具体的な数字は改定されるためこの記事では触れません。最新は必ず市区町村・日本年金機構・全国健康保険協会など公式や社会保険労務士・税理士など専門家で確認してください。

社会保険とは、医療保険と年金を中心にした支え合いの仕組み

はじめに、この記事でいう社会保険が何を指すのかを、おおまかに押さえておきます。社会保険とは、病気やケガ、老後、あるいは働けなくなったときなどに備えて、みんなで保険料を出し合い、必要になった人を支える公的な仕組みのことです。この記事では、その中心にある医療保険と年金の二つに絞って見ていきます。

医療保険は、病気やケガで医療を受けるときの負担を支える仕組みです。年金は、主に老後の暮らしを支える仕組みで、年齢を重ねたときなどに給付を受けられる性格を持ちます。どちらも、現役のあいだに保険料を納め、必要になったときに支えを受ける、という考え方で成り立っています。

大切なのは、この医療保険と年金の「入り方」が、働き方によって用意されている、という点です。会社に雇われて働く人向けの制度と、自分で事業を営む人向けの制度は、別々に用意されています。だからこそ、会社員から個人事業主へと立場が変わると、加入する制度そのものが切り替わることになります。次からは、その切り替わりを、医療保険・年金・保険料の負担・扶養という順に見ていきます。

医療保険|健康保険から国民健康保険へ

まず、病気やケガに備える医療保険から見ていきます。会社員が一般に加入するのは、健康保険と呼ばれる制度です。健康保険には、全国健康保険協会が運営する協会けんぽや、企業などがつくる組合健保といった形があり、会社を通じて加入するのが基本とされています。会社員の医療保険は、勤め先を土台にして整えられている、と捉えると分かりやすくなります。健康保険の仕組みは、全国健康保険協会の公式サイト(全国健康保険協会)でも案内されています。

いっぽう、個人事業主が一般に加入するのは、国民健康保険です。国民健康保険は、勤め先ではなく、住んでいる市区町村が運営に関わる仕組みとされています。会社を辞めて健康保険から外れると、原則としてこの国民健康保険に加入し直すことになる、というのが基本的な流れです。同じ「医療保険」でも、土台が勤め先から住んでいる地域へと移る、という切り替わりが起きます。

この切り替えには、期限や必要な手続きがともないます。会社を辞めたあと、どのタイミングで、どこに、何を届け出るのか、という国民健康保険への切り替えの実務は国民健康保険への切り替えで扱います。ここでは、「医療保険は、健康保険から国民健康保険へと、加入する制度そのものが変わる」という性格をつかんでおいてください。なお、国民健康保険の具体的な扱いは市区町村ごとに定められているため、自分の場合の手続きや条件は、お住まいの市区町村の窓口で確認するのが確実です。

年金|厚生年金から国民年金へ、上乗せの有無という違い

次に、老後などに備える年金です。ここには、医療保険とはまた別の、大きな性格の違いがあります。

会社員が一般に加入するのは、厚生年金です。厚生年金は、会社を通じて加入する年金で、いわば土台となる国民年金に上乗せされる性格を持つ、とされています。会社員は、この上乗せがあることで、老後の備えが厚めに設計されている、という言い方がされることがあります。年金の基本的な仕組みは、日本年金機構の公式サイト(日本年金機構)でも案内されています。

いっぽう、個人事業主が一般に加入するのは、国民年金です。国民年金は、日本に住む人が広く加入する土台の年金とされていますが、会社員の厚生年金のような上乗せの部分は、そのままではありません。つまり、個人事業主になると、この上乗せがなくなる分、老後の備えを自分で厚くしていく必要が出てくる、とされています。ここが、会社員と個人事業主の年金の、最も性格的な違いだと言えます。

この「自分で上乗せをつくる」ための手段として、公的な制度がいくつか用意されています。ただし、その具体的な中身はこの記事の範囲を越えるため、国民年金そのものの詳しい仕組みは国民年金の仕組みにゆずります。ここでは、「年金は、上乗せのある厚生年金から、土台だけの国民年金へと変わり、その分を自分で補う立場になる」という性格を押さえておいてください。年金の詳しい仕組みや自分の加入状況は、日本年金機構など公式で確認してください。

ノートと眼鏡、鉛筆を置いた将来設計を考える机

保険料の負担|会社と分け合う形から、全額を自分で納める形へ

医療保険と年金の制度が切り替わるのにあわせて、保険料の負担のしかたも変わります。ここは、独立して家計を考えるうえで、とくに実感されやすい違いです。

会社員のあいだは、健康保険や厚生年金の保険料を、会社と本人で分け合って負担する仕組みとされています。そして、本人が負担する分は給与から天引きされ、会社がまとめて納めてくれる、という流れが一般的です。つまり会社員は、負担の一部を会社が担い、納める手続きも会社が代わりに行ってくれる、という守られた形の中にいた、と言えます。

個人事業主になると、この形が変わります。国民健康保険や国民年金の保険料は、原則として自分で全額を負担し、自分で納める、という形になるとされています。会社と分け合う相手はおらず、天引きで自動的に処理してくれる仕組みもありません。誰がどれだけ負担し、誰が納めるのか、という点で、立場が大きく切り替わるわけです。

もっとも、保険料の金額や料率がいくらになるかは、制度や状況によって定められ、たびたび改定されます。そのためこの記事では、具体的な金額や料率には触れません。大切なのは金額そのものよりも、「会社と分け合い天引きされる形から、全額を自分で負担し自分で納める形へ」という、負担のしかたの切り替わりを理解しておくことです。実際の保険料額は、市区町村や日本年金機構など公式で確認してください。

扶養|追加負担なく家族を入れる仕組みの、考え方が変わる

もう一つ、独立で変わりやすいのが、扶養の考え方です。会社員として家族を養っている人にとっては、見落とせない部分です。

会社員が加入する健康保険には、一定の条件を満たす家族を、保険料の追加の負担なく被扶養者として加入させられる仕組みがある、とされています。たとえば、収入の少ない配偶者や子どもなどを、本人の健康保険の被扶養者として一緒に医療保険の対象にできる、という考え方です。会社員のあいだは、この仕組みによって、家族の医療保険を本人の保険の中でまかなえる場合がありました。

個人事業主が加入する国民健康保険では、この「被扶養者」という仕組みの形が異なります。国民健康保険では、世帯という単位で捉える考え方がとられるとされ、会社員の健康保険と同じ意味での被扶養者の枠組みとは性格が違ってきます。そのため、独立にあたっては、家族の医療保険をどう整えるか、という点も含めて考え直す必要が出てくる場合があります。

なお、扶養をめぐっては、一定の収入を超えると扶養から外れる基準があるとされ、しかも税法上の扶養と社会保険上の扶養とで基準が異なる、とされています。そのうえ、この基準は見直しが進んでいるとされる領域でもあります。基準となる具体的な金額は改定されるため、この記事では一切示しません。扶養から外れる条件の詳しい考え方は扶養から外れる条件にゆずります。実際の基準や自分の場合の扱いは、必ず最新を市区町村・全国健康保険協会・日本年金機構など公式や社会保険労務士・税理士など専門家で確認してください。

会社員と個人事業主の社会保険を、性格で並べて見る

ここまで見てきた違いを、金額や料率は入れず、性格だけで並べて整理すると、全体像が見通しやすくなります。次の表は、あくまで仕組みの向きを対比したものです。

見る点会社員個人事業主
医療保険健康保険(協会けんぽ・組合健保など)に会社を通じて加入国民健康保険に住んでいる地域で加入
年金厚生年金(国民年金への上乗せの性格)に加入国民年金(土台の年金)に加入
老後の備えの厚み上乗せがあり厚めに設計されるとされる上乗せがなく、自分で厚くする必要が出てくるとされる
保険料の負担会社と分け合って負担し、給与から天引き原則として全額を自分で負担し、自分で納める
手続き多くを会社が代わりに行う自分で届け出て、自分で納める
扶養の考え方一定条件の家族を追加負担なく被扶養者にできる仕組みがあるとされる被扶養者の仕組みの形が異なり、考え方が変わる

この表からわかるのは、会社員のあいだは、加入・負担・手続きの多くを勤め先が支える「守られる立場」だったのに対し、個人事業主になると、それらを自分で選び、負担し、手続きする「自分で備える立場」へと移る、ということです。制度が不利になるというより、支えてくれていた土台が勤め先から自分自身へと移る、と捉えるのが実際に近い見方です。

なお、この表は性格の対比であり、金額や料率、しきい値は一切含んでいません。実際にどの制度にいくら保険料がかかるか、扶養の基準がどうなっているかといった具体は、それぞれの制度で定められ、改定されます。全体像をつかんだうえで、自分への当てはめは必ず公式・専門家で確かめてください。

AI時代の応用・次の一歩

会社員と個人事業主の社会保険の違いをつかむ段階では、生成AIを下調べの相棒として使うのも有効です。たとえば「会社員と個人事業主で、医療保険と年金の仕組みはどう違うのか、初めての人向けに整理して」「厚生年金と国民年金は、性格としてどう違うのか、やさしく説明して」と尋ねれば、それぞれの制度の役割や関係を理解する助けになります。聞き慣れない制度の名前を、身近な言葉に言いかえてもらう用途に向いています。

いっぽうで、大きな注意点があります。保険料の金額や料率、年金の受取額、扶養から外れる基準といった具体的な数字は、改定されやすく、AIが古い前提のまま答えてしまうことがあります。とくに扶養の基準は、いままさに見直しが進んでいるとされる領域です。社会保険や年金は、数字を一つ取り違えると家計や手続きに実害が及びやすい分野です。AIの答えをそのまま手続きや判断の根拠にするのは避けてください。

役割を分けて使うのが安全です。どんな制度があり、それぞれどういう性格か、という全体像の理解はAIに手伝ってもらい、自分がどの制度に加入するか、保険料がいくらか、扶養の基準はどうか、という正確さが問われる部分は、市区町村・日本年金機構・全国健康保険協会などの公式や、社会保険労務士・税理士といった専門家で確かめる。この線引きを守れば、AIは心強い下調べの道具になります。次の一歩としては、まず自分が独立後にどの制度へ切り替わるのかを、この記事の地図を手がかりに見当づけ、医療保険なら国民健康保険への切り替え、年金なら国民年金の仕組みへと読み進めてみることをおすすめします。

よくある質問

会社員と個人事業主では、加入する社会保険はどう変わるのですか。 大きく変わります。会社員は一般に、医療保険として健康保険(協会けんぽや組合健保)に、年金として厚生年金に加入します。個人事業主は一般に、医療保険として国民健康保険に、年金として国民年金に加入します。同じ「医療保険」「年金」でも、加入する制度そのものが切り替わるのが基本です。自分の加入手続きや条件は、市区町村や日本年金機構など公式で確認してください。

保険料の負担は、独立するとどう変わるのですか。 負担のしかたが変わります。会社員の保険料は一般に、会社と本人で分け合って負担し、給与から天引きされる仕組みとされています。個人事業主になると、原則として自分で全額を負担し、自分で納める形になるとされます。金額や料率は改定されるためここでは触れませんが、「誰が負担し、誰が納めるか」という仕組みが切り替わる点が大きな違いです。

老後の年金は、独立すると変わりますか。 備えの厚みが変わるとされています。会社員が加入する厚生年金は、国民年金に上乗せされる性格を持つとされ、個人事業主が加入する国民年金には、その上乗せの部分がありません。そのため、老後の備えを自分で厚くしていく必要が出てくるとされます。上乗せの具体的な手段は別の記事にゆずります。年金の詳しい仕組みや最新は、日本年金機構など公式で確認してください。

会社員時代の「扶養」は、独立後も同じですか。 考え方が変わります。会社員の健康保険には、一定の条件を満たす家族を、保険料の追加の負担なく被扶養者として加入させられる仕組みがあるとされています。個人事業主が加入する国民健康保険には、この被扶養者という仕組みの形が異なります。扶養から外れる条件や税法上の扶養との違いは改正も進む領域のため、この記事では触れず、必ず最新を公式・専門家で確認してください。

まとめ

会社員から個人事業主になると、社会保険の仕組みがまるごと切り替わります。医療保険は、勤め先を土台とする健康保険から、住んでいる地域を土台とする国民健康保険へ。年金は、上乗せのある厚生年金から、土台だけの国民年金へ。加入する制度そのものが変わるのが基本です。

あわせて、保険料の負担のしかたも変わります。会社と分け合って負担し天引きされていた形から、原則として全額を自分で負担し、自分で納める形へ。手続きも、多くを会社が代わりに行ってくれる状態から、自分で届け出る状態へと移ります。年金の上乗せがなくなる分、老後の備えを自分で厚くする必要が出てくること、そして会社員時代の「扶養」の考え方も変わることも、押さえておきたい点です。

こうして並べると、独立とは「守られる立場」から「自分で備える立場」へと移ることだと分かります。これは不利になるというより、支えてくれていた土台が勤め先から自分自身へと移る、という変化です。だからこそ、仕組みを知っておくことに意味があります。保険料・年金額・扶養の基準などの具体的な数字や、自分への当てはめは、必ず市区町村・日本年金機構・全国健康保険協会など公式や、社会保険労務士・税理士など専門家で確認してください。この記事を地図として、次は医療保険と年金、それぞれの仕組みへ進んでいきましょう。

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